
日本一の最低男の最終回結末を書いていきます。
正直、期待せず見始めたドラマ。
最初の数回はそれほど気持ちも入らず、ザーッと観てしまったことを後悔している。
なぜなら、最終回大号泣したんですけど(笑)
第6回くらいから急激に面白くなってきて、今となっては最初から見返したいと思えるドラマです。

最終回「日本一の最低男」「私の家族はニセモノだった」とタイトル、サブタイトルの伏線回収もバッチリでした。
最初はタイトルあってるの?って思ってましたが、そこに帰ってくるのね!と納得のタイトルです。
主題歌も合ってるのかな?って思ってたんですが、主題歌すら伏線とは!
ラストも良かったです!
日本一の最低男これまでのあらすじ

これまで日本一の最低男を一度も観ていない人に、ごく簡単にこれまでの日本一の最低男のあらすじを解説していきます。
相関図はこちら。


大森一平はパワハラで解雇された元TV局プロデューサーという人物。
しかし、友人の真壁と共に「世間を見返そう」と区議会議員を目指すことに。
そして、その足掛かりとして、ふたりの子どもを育てながら、保育士として働くシングルファーザーの義弟・小原正助(志尊淳)一家を呼び寄せて同居することに。
正助は一平の妹である陽菜(向里祐香)の連れ後のひまり、陽菜と正助の子どもである朝日とともに一平と暮らすことに。
一平の同居目的は、家族と同居することでSNSでの生活者目線をアピールし、選挙で役立てるという思惑がありました。
そういった「ニセモノの家族」を演じ、家族との生活をSNSでシェアして、家族としての実績を積んでいるように見えました。
そして、一平は選挙のために、様々な地域活動に力を入れ、根回しを行ってきました。
ただ、その過程では家族に愛情が生まれいてる場面も…

このようなストーリー展開で、特に後半では感動回がいっぱいありました。
ひまりと実の父とのエピソードや、一平と父とのエピソードもとっても良かったです。
同性婚や学童、保育士の待遇問題、子ども食堂など社会的な問題が取り上げられているのも、このドラマの見どころです。
一平は、今まで選挙のために媚を売っていた区長の長谷川(堺正章)や、民政党の衆議院議員・黒岩(橋本じゅん)と大江戸区の再開発計画をめぐって対立。
民政党の公認候補として区議選に出馬することを拒否し、無所属で“大江戸区長選挙”に出馬すると宣言することとなります。
しかし、前職のパワハラ問題を暴露されて話題になってしまいます。
これが、前回までのおおよそのあらすじです。
日本一の最低男最終回感想ネタバレあり

最終回感想をいきなりネタバレありで書いていきますね。
結末を知りたくない人はこの感想は見ないで下さい!
前回の一平は何か企んでいる感はありましたが、区長選のネガキャン対決、真壁候補の擁立まですべて一平の企みとは…。
そのためのTVプロデューサーという役柄だったんですね!
ヘイテツさん演じる野上は、パワハラで結構怒っていたのかな?と思いきや、SNS戦略に最初から結構乗り気で驚きました。
ユーチューバーだからこその戦略で選挙を手伝ってくれて、重要な役どころでしたね。
パワハラではなく意見の相違だったと、お互いに納得できたのかもしれませんね。
高校生の時に掲げた一平の「みんながいちばんすきなじぶんでいられる学校に」の公約が、真壁の「一番好きな自分でいられる街に、国に、世界に」つながるこの願いはめちゃくちゃ響きました。
生徒会長選挙を争った時の話が、ここで効いてくるんですね!
真壁は一平の人としての器の大きさに惚れこんでいるんだなって感じました。
日本一の最低男はこの二人の友情の物語でもあったんですね。
「日本一の最低男」のタイトルの伏線回収もありました。
泣いた赤鬼というお話をご存じでしょうか?
人間と仲良くしたい赤鬼がいて、その赤鬼のために親友である青鬼はわざと人間に危害を加えるような行動をします。
その後に赤鬼が青鬼をやっつけて、人間を助けて人間と仲良くなるというストーリーです。
この青鬼を演じようとしているのが一平です。
一平が最低男を演じることで、真壁の選挙の勝利を後押しします。
安田顕さん演じる真壁考次朗の街頭演説での優しい口調が印象的でした。
街頭演説で今まで一平がしてきたことを振り返っている時もめちゃくちゃ泣けました。
友人が教えてくれたこととして真壁が伝えていた社会の在り方がコチラ↓
「ひとり親家庭が不安なく暮らせる社会」
「性別の垣根なく当たり前に結ばれる社会」
「一人ひとりに合わせた多様な学びの場がある社会」
「地域全体で子育てを支えられる社会」
「労働者と経営者が互いに尊重しあえる社会」
「失敗しても何度でも立ち上がれる社会」
「女性だけにケア労働を押し付けない社会」
「高齢者が誇りを持って生きられる社会」
「仕事と育児を当たり前に両立できる社会」
「町のあり方を住民主体で決められる社会」
素直に、本当にこんな社会になったらいいのになって思いました。
そのために選挙というのはあり、政治が存在する。
政治家は「町を良くしてくれる人」って言いきれる真壁と、自分を犠牲にしてもそれをサポートできる一平との関係性とっても素敵だなって感じました。
子ども時代からの信頼できる人はとっても大切ですよね。
一平の良さを知っている人は知っている。それでいいと思える一平。
街頭演説で一平をみつめる眼差しが温かいのは、今までやってきたことを知っている人たち。
野次をいうのは知らない人。SNSで悪いことをつぶやくのは知らない人。
これは現実社会でもそうですよね。今のSNSに踊らされる社会。
SNSの流れに騙される社会を風刺した作品でもあるのかもしれません。
政治への参加という点でも、このドラマは釘を刺してくれていますね。
政治は自分たちの生活に直結するもので、ないがしろに考えて良いものではない。
自分たちの目で感じて、考えて、選ぶものということを忘れないでいたいと思います。
街頭演説に、真壁が真っ赤な目で答えるのが、切なかったですね。
真壁さんが黒岩議員との会話で「彼がいる限り、自分の器の小ささを突き付けられる、驕りたくても驕れません」これからの真壁さんもこの町のために働くんだなって約束してくれていました。
最期の場面での「ただいま」って安心しましたね。
一平が画面には映ってなかったけど、「ただいま」って一平の声が聴けてホッとしました。
青鬼のようにいなくならずに、家族のところに帰ってきてくれた結末で心が温まりました。
おかずを「また温めればいい」と言えるひまりちゃんにも成長を感じて、一平との交流があったからの成長かもしれまないなと思いました。
ひまりと朝陽を都に預けたのは、これからくるSNSの批判にさらさせないように、危険がないように。
一平を信じる人たちがいてくれて良かったな~、、周りの人が信じてくれるからこそ一平は強くいられるのかも…と思いました。
正助くんのグータッチ、入院中も聞こえてたんですね。
ただ、この先一平は仕事ないし、どうなるんだろう?って思わなくはないですが、できれば真壁とともに街を良くする仕事についてくれたらいいのになって思います。
しかし、悪役を買ったからこそ、それはきっとかなわないんだろうかという切なさも残す最後となりました。
街頭演説をする一平に、市民の「頑張れ、一平!」という声とひまりとあさひが手をぐっと握る動作で覚悟を決めて、ピエロを演じる一平が最高でした。

社会問題と、友情、家族愛、素直になれないけど愛すべき人たちの感動する物語でした。
若者にも、高齢者にも、子育てしんどい人にもみんなに観てほしいドラマだったなと思います。