
こんにちは!作業療法士で2児の母、ワーママはるかです。

「子どもの発達にいい遊びって、どんなことをすればいいんだろう?」
「おうち遊びがワンパターンで飽きてきた…」
「発達が少し気になるけど、家でできることってあるのかな?」
そんな悩みを抱えているママ・パパはとても多いです。
特に今は、外遊びがしづらい日もあり、家で過ごす時間が長いご家庭も多いのではないでしょうか。
でも、実は「おうち遊び」こそ、子どもの発達支援にとって大きなチャンス!
作業療法士(OT)の視点で見ると、家にある身近なもので十分に発達を促すことができます。しかも特別な道具はいりません。
この記事では、年齢別のおうち遊びアイデア10選を紹介します。
さらに、作業療法士ママとしての声かけや見守りのポイントも具体的にお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。
0〜1歳向け|五感を育てるおうち遊び

感触ボトルづくり
0〜1歳の子は「見る」「聞く」「触る」といった五感の刺激が大切です。
おすすめは感触ボトルづくり!用意するのはペットボトルと家にある素材。
- ペットボトルにお米やビーズを入れる
- 水+ラメを入れてキラキラさせる
- ストローを小さく切って入れる

振ると音がしたり、キラキラ動いたり…赤ちゃんは夢中になります。
材料が家にない場合も100円ショップで十分そろいます。
OTの声かけ例
「カラカラって音がするね!」
「きれいだね〜」「触ってみる?」
OT視点の見守りポイント
- 誤飲防止で蓋はしっかり閉める
- 遊ぶ時間は短め(2〜3分でもOK)
- 振る動きで腕の運動にもつながる

ペットボトルの蓋はテープなどで固定して締めてしまいましょう。
基本的に赤ちゃんの集中は短いので、あまり遊んでくれてない?と思わなくてもOKです。
ごろごろ運動

家のマットや布団の上で「ごろごろ」転がすのも発達にはとても良い運動です。
頭を上下左右に動かすことで「前庭感覚」といって、体のバランスをとる感覚が育ちます。
OTの声かけ例
「右にころん!左にころん!」
「くすぐったいね〜!」
見守りポイント
- 首すわりが未完成のうちは支えてあげる
- 高さのあるところから転がすのはNG
- 笑顔を引き出すことが一番大事

首すわりがまだのうちは無理に行う必要はありません。
腹ばいにして様子をみるだけでも、自分で首をあげようと力を入れるので頸部の安定性につながります。
感覚統合ってなに?簡単に説明します

2,3歳の遊びに入る前に感覚統合について簡単に説明します。
「感覚統合」という言葉を聞いたことはありますか?
ちょっと難しく聞こえますが、簡単に言うと、五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)や、体の動きやバランスを感じる感覚を、脳の中でうまくまとめて整理し、体を思い通りに動かしたり、物事に集中できるようにする力のことです。
たとえば――
- 「目でボールを見ながら手でキャッチする」
- 「机に座って姿勢を保つ」
- 「人の話を聞いて、ちゃんと返事をする」
これらも全部、感覚統合の力が関わっています。
もし感覚の整理がうまくいかないと、
- 音や触った感覚がすごく気になって集中できない
- 人混みでパニックになる
- 動きがぎこちない
- 姿勢を保てずすぐ疲れる
といった困りごとが出てくることがあります。

作業療法士としては、こうした感覚の偏りを調整し、生活しやすくするお手伝いをしています。
おうち遊びは、この「感覚統合」の力を育てるチャンスでもあるんです!
2〜3歳向け|手先&感覚統合を育む遊び
では、先ほど説明した感覚統合の要素もある遊びを紹介していきますね。
新聞ビリビリ&丸めてボール遊び

新聞紙は最高の遊び道具!
破く動きは手指の力やコントロールを養い、音や感触の刺激にもなります。
遊び方の例
- ビリビリ破く
- 丸めてボールを作る
- 的に向かって投げる
OTの声かけ例
「ビリビリって音がすごいね!」
「大きいの作れるかな?」
OT視点の見守りポイント
- 床に広げて遊ぶと片づけも楽
- 丸めた新聞紙を使って投げることで肩の運動にも
- 目と手の協調性も養える
- 指先の動きと肩回りの動きが連動する
洗濯ばさみ遊び

洗濯ばさみを挟む動きは、手先の筋力を鍛えると同時に「指先の感覚」も育てます。
また色分けや数の認識の遊びにもつながります。
遊び方の例
- 紙コップのふちに洗濯ばさみをつける
- 色ごとに分ける
- 挟む強さ比べ
OTの声かけ例
「赤のばね、固いかな?」
「できたね!いっぱいつけられたね!」
家にあるものでOKなのが良いところです。
- 洗濯ばさみ
- 紙コップ、厚紙
- 紙皿
見守りポイント
- 強く挟むと痛いので最初は弱めのばねを選ぶ
- 集中が切れたらすぐ別の遊びに切り替える
4〜6歳向け|ルール理解&想像力UP

じゃんけんルーレット

「ルールを守る」というのも発達に大事なスキルです。
4歳になれば簡単なルールなら理解できます。
ただ普通にじゃんけんをするだけでなく、ルーレットを作ってみましょう。
作り方
- 紙にぐるぐると円を書き、グー・チョキ・パーを描く
- 割り箸や鉛筆で回す軸を作る
- 止まったところを出す手にする
OTの声かけ例
「次は何が出るかな?」
「負けても大丈夫!また挑戦しよう!」
見守りポイント
- 勝ち負けに敏感な子には「楽しむこと」を優先
- 順番を決めるとケンカ予防に
お店屋さんごっこ
言葉のやり取りや数字の理解を促すにはごっこ遊びがおすすめ。
遊び方
- お金を紙で作る
- 商品カードを作る
- 「いらっしゃいませ」「これください」とやり取り

作るのが大変な様なら100円ショップのでお金も、商品もあるので、活用するのも良いですよ。
調理器具なども今は豊富です。
OTの声かけ例
「いらっしゃいませ!今日は何を買いますか?」
「お金は何枚ですか?」
家にあるものでOK例
- 折り紙
- 紙皿
- 空き箱
見守りポイント
- 相手役をパパや兄弟と交代する
- 計算ができるなら値段を変えて計算遊びやワーキングメモリーを伸ばすのにも応用
小学校低学年向け|学習と感覚統合

紙工作(折り紙・立体工作)

工作は手を使うので、手を使うことは脳をしっかり使う最高の作業ですよね。
折り紙や立体工作は、空間認知や手順を覚える力を育てます。
遊び例
- 折り紙で動物を作る
- 段ボールで立体の家を作る
- 紙コップでけん玉作り
OTの声かけ例
「角をぴったり合わせて折れるかな?」
「屋根はどんな色にしようか?」
見守りポイント
- 難しすぎる形は避ける
- 切る物の硬さや、質感を大人がコントロール
- 少しずつステップアップ
目隠し宝探し
感覚統合を育てるには「目を閉じる」遊びもおすすめです。
遊び方
- 袋に色々な素材を入れる
- 目隠しして触り、何か当てる
- 家中に隠して探す宝探し
OTの声かけ例
「ザラザラしてるのはどれかな?」
「冷たい?柔らかい?」
見守りポイント
- 苦手な子は目隠しなしでOK
- 難易度は低めから
レゴ・積み木チャレンジ

レゴや積み木は、空間認知と想像力の宝庫です。
遊び例
- 「お題を作る」ゲーム
- 高さを競う積み木
- カラーごとの並べ替え
OTの声かけ例
「おうち作ってみよう!屋根は何色にする?」
「どうやったら倒れないかな?」
見守りポイント
- 作りたいものが浮かばない子には写真を見せる
- 途中で声かけして達成感を持たせる
OTママ流|遊びを楽しくする声かけ&見守りの極意


私が日頃、作業療法士としてもママとしても意識しているのは次のポイントです。
ポイント
- 子どもが主役!
「○○ちゃんはどれにする?」
「やってみる?」
- 成功体験を増やす
小さな成功を褒める
「すごい!」「できたね!」
- 難しすぎない課題設定
7〜8割できることを選ぶ
飽きてきたらすぐ別の遊びへ
- 家にあるもので十分!
洗濯ばさみ、新聞紙、段ボール…全部発達支援の道具
特別な知育玩具は不要
遊びは「子どもの力を育む最高の発達する手段」でもあります。
でも、一番大切なのは親子が笑顔で過ごせること。
無理なく、楽しく取り組んでくださいね!
家にあるものでできる!OTおすすめアイテムまとめ
アイテム | 活用例 |
---|---|
ペットボトル | 感触ボトル、ボーリング |
洗濯ばさみ | 挟む練習、色分け |
新聞紙 | 破る、丸める、投げる |
段ボール | 秘密基地作り、トンネル遊び |
紙皿・紙コップ | ごっこ遊び、工作素材 |
よくあるQ&A
Q. 家で遊ぶとすぐ飽きる…どうしたら?
→ 短い時間で切り替える&「次の遊び」を提案してワクワクを続ける
もっと集中して遊んでほしいって親としては思ってしまいますが、子どもの集中力はそれほど長く続きません。
どんどん集中できる次の遊びへうつってもOKですよ。
Q. 発達がゆっくりな子にどんな遊びがいい?
→ 感覚刺激が少なめの遊びからスタート。本人が心地よい遊びを優先する
結構人によっても好きな感覚は違うので、何が好きかやってみながら探ることが必要ですね。
そのために、子どもの様子をよく観察しながら、こんな時には嫌がっている、こんな時には表情が緩んだなどみていきましょう。
Q. 兄弟で遊びに差が出る…
→ 同じ遊びでも「役割を変える」「順番を決める」「難易度を変える」など工夫する
同じ遊びの中で難易度を距離、量、重さ、大きさなど大人がコントロールしてあげると、対等に遊べることもあります。
役割を変えるということも年齢によっては、ありです。
まとめ 遊びはとても大切な発達ステップ

遊びは、子どもの未来を育むとても大事な時間です。
作業療法士として、そしてママとして強く感じるのは、特別な道具や高価なおもちゃは必要ないということ。
家にあるもので、子どもの発達を促すおうち遊びは十分にできます。

もちろん、ブロックなどはあると子どもはそれだけでカラフルで、いろんな形ができて喜びます。
ただ、おもちゃばかりでなく、身近なものを工夫するだけでも、深い遊びができるのでは?と考えています。
そして何よりも大切なのは、遊びの中で「楽しいね!」「できたね!」と一緒に喜ぶこと。
親が楽しむことで、子どもも楽しいです。
子どもの笑顔は、発達を伸ばすいちばんのエネルギーです。
ぜひ、今日からおうち遊びを楽しんでみてくださいね!